俺の人生はただ眠りたかったという意思のみで終わる [どうってことないよ] | DLsite がるまに
Details
※R15表記ですが、性的描写はほぼありません。
自堕落な性格の主人公「樫村」は、ある日自殺して楽になろうと決意する。
しかし突然現れた「須藤」なる不審人物に誘拐され、あれよあれよのうちに飼われることに…
不器用な二人がたどり着く先はどこなのか。サイコパス・ラブストーリー。
Sample
More details
Review
愛ゆえに監禁するお話が好きなのですが、当然急に自由を奪われた主人公達は十中八九抵抗・拒絶します。
お話の中であれば全て受け入れてあげて欲しさが募り、まあいいか系主人公のこちらの作品に惹かれ、購入させて頂きました。
ところどころ不安に思っていた部分は、拝読していくうちに次々解消されていきました。
・樫村さんの主に自堕落さを好きになれるか
→だらしはないけれど他人に寄生するタイプではなく、須藤さんのこともキモがりつつほぼ拒まない、ある種の懐の深さがある敏い人。
危惧していたモノローグも共感できかつちょっと面白くて、むしろ楽しみになった。
・須藤さんのサイコパスさを好きになれるか
→他者を踏みにじることを楽しんだりするタイプではなく、作中での表現通り産まれたてのようで、人の気持ちはわからないがわかろうとしない訳ではない。なんだか無垢な人。
・タイトルが不穏
→ハッピーエンドかは解釈次第だけれど、陰鬱な最後だとも言い切れない。その上で読み返すと、タイトルに内包された光のようなものがあり、必然性を感じた。
絵柄はふんわりした印象ですが、ストーリーはしっかりとして、表現も緻密。佳境にあってもコミカルな場面があり、全体としては鬱なのに、続きが気になって読み進めてしまう力と技巧が詰まっています。
適切な表現がなにも思いつきませんが、とても素敵な作品です。
サンプルで気になった方、人の弱さや人間臭さに惹かれる方等、是非読んで頂きたいです。