DADDIES GARDEN (秋の声/秋の祭) [市川劇版社] | DLsite がるまに
あらすじ
『秋の声』
ふとしたことから生島の昼ご飯の弁当を作ることになった梶原。仕事場を訪ねてみると、熱心に仕事をしている生島の姿が……。柿の実香る秋の一コマ。
『秋の祭』
毎年開かれている秋祭り。しばらく風邪をひいて寝込んでいた梶原が姿を現すと、地元の幼なじみたちが浮かれ騒いでいる。そんな中、梶原と生島の間を割って入る闖(ちん)入者が……。
「いい歳」したふたりだから、恋にもいろいろあります。
梶原と生島、おっさんふたりの恋の歳時記。ふたつの「秋」をお届けします。
サンプル
レビュー
こうした佳作が見つかるから同人は侮れません。読ませる心理と抜かせるエロスの塩梅が見事で、短編ながら非常に
奥行きのある作品です。
50代の独身男同士(相方は妻と死別していますが)のなんとも微妙な
立場では勢いに任せて「好き」も「愛している」も口に出せず、
かといって再燃した恋情は表現したい、という煩悶が選り抜いた描写と
セリフ回しで描かれています。
学生時代から片思いを続け、n年越しに両想いとなった相手から
首っ玉にかじりつかれて「会えなくて寂しい」と言われたら
普通は「寂しい思いをさせてすまない」などと安心させるセリフが
出てきそうなものですが、主人公が思うのは「羨ましい」です。
はてどうしてこうなったのか、は作品を読んで感じ取ってください。
そして、普段は剛速球のように服がぶっ飛ぶ作者さんが徹底的に
抑えに抑えた「着衣のエロ」はたぶんエロさでは随一ではないでしょうか。
長々書きましたがこれほど言葉が出るほどの作品です。読んで見てください。