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その怪異に出会った日のことは、よく覚えている。
茹だるような暑さに、蝉の声。
遠くからでも分かる、大きな身体。
友達の居ない僕が、おじいさんの家に帰省した夏休みに出会った、不思議な怪異。
「ぽ…ぽ…ぽ…。」
鈴の音を転がすような、年上の女の人の変わった声。
僕にできた、初めての友達。
「ぼく、夏休みが終わったら、都会に帰らないといけないんだ。」
初めての友達と過ごした、甘酸っぱい初恋と、初めての思い出の日々。
会うたびに募っていくのは、別れの日への忌避と目の前の怪異への恋心。
「お願い…僕のこと、忘れないでね…。」
泣きじゃくりながら顔を上げた僕の唇を、その怪異は…八尺様は優しく奪った。
「ほら…優しく触ってね…。」
神社の境内での、人ならざる怪異との、生まれて初めてのセ⚫︎クス…。
祖父の家で、バス停の裏で、花火大会の帰り道で…。
僕は生まれて初めての衝動と欲望を、八尺様の大きな身体に擦り付ける。
初めて訪れた田舎の、誰にも言えない秘密の体験。
「来年もまた来てね…、絶対だよ。」
貴方もあの夏の日に出会っていたかもしれない、
スタジオサウスポーの異種族怪異奇譚CG集。