おすすめレビュー
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世界で一番初めのテーブルトーク・ロールプレイングゲームの舞台は、中世ヨーロッパ風ファンタジーでした。それから半世紀がたち、ビデオゲームを含め色々なRPGが生まれましたが、ファンタジー世界を舞台にしたものは定番になっています。
ファンタジー世界は、神話や民話はもちろん、中世ヨーロッパの史実をもベースにしています。ファンタジー好きが高じて、これらの資料に触れると色々な発見があります。「えっ、封建社会では国民の大半が農奴だったの?」、「戦闘で直接生命を失うより、傷からの感染症で死ぬ方が多かったの?」等々。これらの知識を活かし、より実際の歴史に近く、細部まで作り込まれた重厚な世界で遊びたいとは思いませんか?
朗報です! 『ハーン』は正にリアル志向のファンタジー世界を舞台にしています!
カナダ人のN・ロビン・クロスビー氏(1954~2008)は、1980年代から半生をかけて、11世紀頃のイングランドをモチーフにしたファンタジー世界を作り上げました。
そのクオリティたるや、世界創造の情念の結晶と言えるものです!
本作『雛菊の野』は、ファンタジー世界『ハーン』のために作られたTRPGである『ハーンマスター』第3版の入門用シナリオになります。
精密志向ながら、技能と%ロールがベースのまとまりのよいシステムで、まさしくリアル中世シミュレーター。
硬派なファンタジーRPGを遊びたい方はもちろん、世界設定を自作したい方や本格志向のファンタジーを書いてみたい方にも、ご満足をいただけると思います。
●『雛菊の野』の内容
本作には、『ハーンマスター』第3版の簡易ルール、4名の作成済みキャラクター、短時間でプレイできるシナリオ「雛菊の野」および舞台となるファルカスという荘園の設定が含まれます。本作はこれだけでゲームを楽しむことが可能です(ゲームマスター1名、プレイヤー1~4名が必要)。
シナリオは行方不明の農奴の子どもを探すという捜索メインのストーリー。
本セットは『ハーン』という膨大な世界設定の一部を切り取ったものですが、多くのエッセンスが詰まっています。カルドア王国という平和を享受している封建国家の小村。それがどの程度の経済規模で、貴族の代官はどのような暮らしをしているのか。等高線が入った村の地図、荘園の全世帯の内実。冒険者各々の生い立ちや背景の事細かな設定……。
――豊かな情報から立ち上がる、泥臭くもいぶし銀の魅力にあふれた濃厚なファンタジー世界をご堪能ください!
●『ハーン』日本語版について
汎用設定集『ハーンワールド』(2006)、『ハーンマスター』第3版の基本ルール『ハーンマスター』(2007)、魔法に関する追加資料『ハーンマスター・マジック』(2007)と宗教に関する追加資料『ハーンマスター・レリジオン』(2009)が、それぞれサンセットゲームズから発売されています。
2024年にはColumbia Games,Inc.のサイト(英語)から、別途、第3版のクイックスタート・ルール日本語版を無料ダウンロードすることが可能になっています。
これらの訳者と、このたびフロッグゲームズから発売される『雛菊の野』日本語版のスタッフは別ですが、同じ設定をもとにしているため、作品には互換性があります。